境内の四季200905 of 慶蔵院<境内の四季>

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2009.05

2009.5.22

タイサンボクの新芽

タイサンボクの新芽

 5月22日、風が吹き抜ける朝の境内に出ると、泰山木のまわりに、長さ10㎝、幅は広げると2㎝ほどになる、葉巻状のしぼんだ花びらのようなものがいっぱい落ちていました。
 花にしては細くて薄いものです。泰山木から落ちたものとしか考えられません。見上げながら周りをまわってみると、どの枝の先端にも、白い新芽が付いていて、その芽が開いて、薄い緑色の葉を一つ二つと出しています。
 そして、ありました。新芽の根元に同じものがぶら下がっていたのです。わかりました。落ちていたのは、新芽を包んでいた薄皮だったのです。竹の子の皮がはがれおちるように落ちたのです。葉が出る前の新芽の、花のように白いこと、白いこと…。しっかりと泰山木の新芽を観察することができました。
   風強し真っすぐに立つ新芽かな  格也

2009.5.18

インドボダイジュの植え替え

インドボダイジュ

 昨年よりだいぶ遅れましたが、菩提樹の鉢を入れ替えることにしました。夏落ち葉らしく、この時期に葉が入れ替わります。どんどん大きく育つのです。
 これ以上大きくなると、冬に玄関の中に入れることができなくなります…。この分では秋には枝を剪定しなければなりません。
 私の住職就任、晋山式に合わせて、大学時代の先輩が、「久しぶりに花屋に行ったら、インドボダイジュがででいたから、送るよ。冬は零度になると枯れてしまうから、部屋に入れて、子どものように大切に育ててやってくれ」と電話してくれたものです。
 新芽が出そろったらまた紹介します。写真の鉢は入れ替え前のものです。
    二人して鉢入れ替える五月晴れ  格也

2009.5.13

公孫樹の雌花(3)

雌花の落花

 昨夜来の雨があがり、山門を開けに表に出ると、なんと今年も雌花の一面の緑。すぐにカメラを持ち出して写しました。
 おびただしい数の雌花です。また、書いたことが不安になります。「この雌花、全部受粉しなかった雌花なんだろうか…」と。
 これほどの数の雌花を落として、後にどれだけの受粉した雌花がのこったというのでしょうか。毎年思ってきたことです。
 ところが、これでもか、これでもかと、銀杏が実るのですから驚きです。公孫樹が子宝の樹といわれるはずです。
   知らぬ間に散り重なりぬ花銀杏  格也

2009.5.12

公孫樹の雌花(2)

受粉後の雌花
 今日も公孫樹の雌花が落ち続けています。地べたを緑に染めるというほどではありませんが、かなりの数です。5月8日に、「受粉しなかった雌花が落ちるのでしょうか・・・」と書きましたが、どうもそのように考えられます。なぜなら、葉と葉の間には、写真のように、すでに丸くなった実が育っているからです。これが受粉したものといえます。
 ヤフー百科事典「公孫樹」によれば、「4月に胚珠の花粉室に入った花粉はそこで発育し、9月上旬の成熟前に精子を生じ、造卵器に入り受精する」とあります。この精子の発見は1896年のことであり、最初に精子が発見された原木は、今も東京大学小石川植物園に健在といいます。植物と動物をつなぐ不可思議さを感じます。
    連綿とつながる命花銀杏  格也

2009.5.11

マユミ(檀)

マユミの花

 ひとり生え。いつの間にか幹は20㎝、高さ3mほどに育っています。緑白色の十字の形の小さい花が咲いています。ニシキギ科の落葉低木。
 アケビの蔓が巻きついていた左側は枯れてしまったのですが、右側は元気。しっかり守っていこうと思います。この木も雌雄異株と言いますから、一本しかないこの木に実がなる不思議さを思わずにはおれません。
 万葉集にも詠まれています。
「南淵の細川山に立つ檀弓束纒くまで人に知らえじ」(7・1330作者不詳)
   釣鐘の下に影あり花まゆみ  格也

2009.5.8

公孫樹の雌花(1)

公孫樹の雌花の落花

 3日ほど続いた雨で、境内には公孫樹の雌花が散っています。雨に流され、かたまっていますが、今年は量が少ないようです。風でパラパラと落ちる日には、境内一面、真緑に変わるほどになる年もあります。
 公孫樹は雌雄異株であるため、雄花は別の樹に咲きます。境内の公孫樹は、2本とも雌株です。雄花の実物は、まだ見たことがありません。雌花は緑色で5㎝ほどの果柄の先にトンボの目玉のように、1つが5㎜ほどの胚珠が2個ついています。4月に雄花の花粉が風によって運ばれてきて、受粉します。
 今、落ちている雌花は、受粉しなかったものが落ちているのでしょうか。

2009.5.2

クロロウバイ

クロロウバイ

 母親が、玉城町にあるお寺の、先代住職様にもらってきて植えたものが大きくなりました。
 枝いっぱいに花を咲かせています。まるで実が付いているようにみえます。竹で編んだ小さな籠のような花です。クロというものの、濃く深いワインレッドのような色でしょうか。切ると香しい匂いのする香木てす。
 植木屋さんの剪定は入れない庭木に指定。伸びた枝は生花にして楽しみます。
   花か実かわからぬ花木新樹光  格也