2010年 6月
2010.6.30
ギボウシ
ギボウシにはいくつもの種類があるようです。境内にあるだけでも四種類ほどあります。その内、毎年花を咲かせるのがこのギボウシです。しかもこのギボウシはY性のもの。小さい形をしています。
横井久美子さんの歌に「赤い椿と青いげんぼし」があります。三味線をもって、門付けしながら唄を届けた盲目の女芸人のことをうたっています。この「げんぼし」とはギボウシのこと、子どもの頃に見たギボウシの青い色が忘れられないというのです。
境内に咲くこの花は、青色がうすく、それほど印象に残る色ではありません。しかし、梅雨入りから夏の暑い盛りまで咲いていてくれる花として、ありがたい花です。
擬宝珠の花ここにありありがたし 格也
2010.6.22
ネジバナ
今年は同じ場所に二本の花が咲きました。昨年6月27日には、一本の花が咲いただけだったのですが、今年は写真のように伸びてきたのです。石段の隙間から生えているのです。こうして、ここに生えだして二年目になるのですが、 どこから種が飛んできたのでしょうか。
以前、ガレージの屋根に上った際に、隅にたまった腐葉土にしっかりと根をはったネジバナを見つけたことがありました。確かに、その株を腐葉土と一緒に取って、どこかに移植したと思うのですが、昔のことであり忘れてしまいました。その子孫が、種を飛ばしてここに生えだしたのでは…と思っています。境内にこの一株だけしかありません。
境内の隅に一株文字摺草 格也
2010.6.20
サンショウ
高塀の外の道路に、山椒の木が生えて大きくなっています。境内側にある実が落ちて芽を出したものです。昨年、一度、切られてしまいました。しかし、今年また芽を出し、さらに大きく成長してくれています。植え替えをして霜に当てなければ育たないと信じてきていましたが、一人生えでこんなに大きくなれたということは定着できているようです。
積み石の間から生えているので、移植しなおすことは不可能。どうやって生かし続けることが出来るでしょうか。道路側へ延びた枝は剪定し、塀添いに枝を這わせてやればだいじょうぶでしょうか。やれるところまでやってみましょう。根性山椒のできあがりです。
取り落とし傘で受けをり山椒の実 格也
2010.6.19
ササユリ
昨年とほぼ同じ時期に花を咲かせてくれました。今年は二輪とも一緒に咲きました。
背丈ものび、太さも堂々と一回り大きくなった感じがします。地植えにしてもなかなか育たないというササユリ、よく裏庭に定着してくれたと思います。
60センチほどの穴を掘り、小石や砂利、砂を入れて、水はけを良くする工夫をしたことがよかったのだと喜んでいます。
毎年、律義に時期が来れば花を咲かしてくれる「いのち」に感動せずにはおれません。
同じことの繰り返しのようでありながら、その同じことを繰り返し続けることの奥の深さや尊さを教えてくれているように思います。しかも、同じように見えて決して同じなのではないのですから。
今年またササユリの咲くありがたさ 格也
2010.6.13
インドボダイジュ 2
今年は、昨年に比べて葉の出方が早く、たくさんの葉がつきました。そのせいか、全体的に葉は小ぶりのようです。6月中に挿し木をすると増やすことができることを知りました。ところが6月、あまりにも忙しく、寺にいない日もたくさんあって、挿し木どころではありません。末の3日間でなんとか時間をとり、挑戦しようと思います。
このままでは、高くなりすぎて冬に玄関に入れることが出来なくなりますから、上を切る必要があります。同じ切り取るのであれば、いま切って挿し木にしておけば増やすこともできることでしょう。やってみることにしたいと思います。
菩提樹の葉に葉の影や梅雨晴れ間 格也
2010.6.12
ユリ
志摩磯部の百合園のこと、昨年も境内の四季でとりあげました。倒産して、今年は芝桜の里に変わったそうですが、あの山一杯に植わっていた百合の球根はどうなったのでしょうか。一度植えただけで、何の手入れもしていない境内で、これだけの株に増えて、ことしも立派な花を咲かせてくれました。
百合園の経営が成り立たなくなったとしても、芝桜に変えることなく、山に球根を残したままにしておけば、毎年こうやって花を咲かせてくれたのではないかと思うのですが…。
しかしながら、仲間の一部が慶蔵院に来て、こうして増えていることを、仲間の百合の球根たちはどこかでよろこんでいることでしょう。
百合咲いて山吹きわたる風思う 格也